無慈悲なまでにダブルオー
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2008年11月09日に移転前のサイトで更新したものです
「なんだ」 呼び止められた刹那は振り返って青年を見る。刹那が短く答えて頷くのを確認すると、ロックオンはすぐに部屋のドアを開けたまま持っていたハロをベットの上に放り投げた。 「待たせたな」 刹那はかすかに苦い顔をしながら言った。きっと兄貴にジャガイモ料理をたくさん食べさせられたに違いないとロックオンは思った。あの人はこの上なくジャガイモの料理を愛していたというのは忘れられない記憶である。いつだってニールは笑いを浮かべているが、ジャガイモ料理を毎食食べながらそう言われると、悪意があるようにしか見えないのである。 「ライルは」 自分はさんざん兄の料理に苦しめられたので、可愛がられていた刹那もそうだと思っていたのだが、彼にとっては眉をしかめる程度のことだったらしい。残念だ。頭を抱えてしまうくらいなら面白いのに。 「いやしないな。でも、やろうと思えばできないわけじゃない」 あえてしようとは、あまり思わないな。 「そうか」 ああ、これなのだとロックオンは思う。 「ほんと、お前いいやつだよな」 刹那は決してライルにニールを重ねてみない。ニールはああだったのに、なんでライルは………なんてくだらないことも言わない。ニールがこうだったからライルもなんてこともない。 「……………まぁ、いいが」 刹那はニールのことについて聞いてきても、決して重ねたりはしない。ニールとライルを混同してもいない。 「一人の独立した人間として見られることは実に清々しい、ということだよ」 自分はスパイだけれどこういうところは喜んでもいいんだよな、とロックオンは刹那の頬についたご飯をとってやりながら心の中でつぶやいた。
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